フランケンシュタインな週末


週末はサイトウマコトの世界『たまきはる』を観てきました。

新作'フランケンシュタイン'はロイヤルの平野亮一の怪演がどうしても擦り込みとしてあったのですが、濃密な空間と視覚的に効果抜群の装置により全く印象の違う物語でした。
小劇場ならではの緊迫感に、より気持ちを鷲掴みにされるので、ヒリヒリとした感情の波に押し寄せられては放り出され。
フランケンシュタインの両親(盲目という設定)が慈愛に満ちて救いでした。
優しくてやるせない、そして力強い作品にしばし放心。そして、いつもサイトウ作品は唸るほど音楽の使い方がうまく『えっ!』と何度連呼したことか。場面の転換も感情の幕引きも、説明的ではないのに納得させられると。


ふと数日前にホールの近くで偶然、サイトウ先生と立ち話をしました。ユラユラと煙草をくぐらせ街に溶けこむように佇んでらしたのに。
懐にスリリングを携え、あっちとこっちを行き来してらっしゃるんですね。
私にはあの夕方の光景が'フランケンシュタイン'のエピローグかプロローグに思えてなりません。


 PS.上演前に舞台監督さんが出てこられたのが、また何となく力がふっと抜けて何となくよかったです♪