スタジオ風景〜季語

先日 友人と喋り続けて6時間。
罪のない噂話から大変真面目なお話まで、オモチャ箱をひっくり返したように話題があちこち飛んで。
我らのルーツ話に盛り上がって別れたからか、翌朝見つけた書物に目が止まりました。

昭和の名プロデューサー故・久世光彦氏によると
「俳句のように、人にもそれぞれ季語、季題のようなものが一つずつある、というのはどうだろう。例えば竹久夢二なら〈女〉、ずいぶん名誉な季語である。乱歩は〈幻〉、山頭火が〈風〉、(中略)〜人間、季語のひとつぐらいは懐にしのばせて死にたいものだ」ですと。
そうしみじみ振り返るには早すぎる気もするしますが、自分に聞いても何も浮かばないのは、少々寂しいです。

今日は生徒たちに『あなたの季語はなに?』と聞いてみようかな?

幼稚園生くらいの子供たちは、とてもレベルの高いお話をしてくれます。自分解釈の話から、大好きなうさぎちゃんとリスの話までくるくる変わる表情で!思いのたけを身体中のスキルを使って、語る様子はアーティストだと感心します。
私はよくベビークラスの生徒に『きのう、お月さまみた?』と聞くのですが、スタジオの温度が上昇するくらい目がキラキラと、彼女&彼らだけの"お月さま"を教えてくれます。すごく、楽しい。
生徒たちもすごく自信に満ちた顔。


だんだんお姉さんクラスになると、他人が望む答えを用意するようになって、季語を見つけられない話では無いけれど、なんだか寂しいです。

そう思うと、私はJr.生達に少し言い過ぎるのかなぁと思います。彼女達が考える前に、ヒントだか答えだかを提案してしまう?
去年よりも、半年前よりも確実に成長しているあの子達が、かわいくて。反面、心配し過ぎるのかも知れません。

彼女達に求めるばかりじゃなくて、私も広くならないと。スタジオって、バレエだけを習得する場所じゃないんだなぁと振り返ります🌸
生徒にとっても教師にとっても。