青い時間

『青い時間』

*夜が明ける前「青の静寂」が訪れる瞬間がある。
虫や草木が寝静まり、
鳥や陽が目を覚ます前の自然が息をとめるような時間。

その瞬間を『青い時間』という。

これはエリック・ロメール監督〈レネットとミラベル〜4つの冒険〉というオムニバス映画の1シーンです。
高校生の時に観て、ストーリーはよく記憶にないもののこの『青い時間』だけはとてもロマンチックに心に沁みました。あれから何年も何十年経って、もう主人公の顔すら覚えてなくても、「青い時間」だけはいつでも蘇る記憶として存在しています。
〈自然が息をとめるような音も色も無い瞬間〉がとても甘いものに思えて、知りたくて。
高校生の私は、それから早起きを趣味のようにしたり、真夜中があける時間に窓を飛び出したり⁉︎映画の中のことなのに、そんな馬鹿馬鹿しいことをゲームように繰り返していました。
今よりうんと前、夜が夜であった時代。
想像力が成長するに、じゃまするものが無い時代。

現在エリック・ロメール特集として「緑の光線」「海辺のポーリーヌ」など秀作が全国津々浦々、公開中です。あいにく関西は29日@神戸ビレッジセンターが最終だったようです。(未確認です。興味のある方は検索してください)
これから公開を控えている地域の方はぜひ『青い時間』を体験して下さい。

今日はある女子高生の恥ずかしい黒歴史を告白しました。あなたの甘酸っぱい記憶と重ねてみて下さい。
きっと芳しいくすぐったい気持ちになりますよ。

(投稿:kazumi)

*「レネットとミラベル」公式サイトより引用