スタジオ便り

さて、先日はバレエの”レッスン入口”と称してベビークラスの様子を綴りましたが、”入口”はいつでも誰の前にもあるのです。

スタジオ開校間もない頃、ある女性が入会希望でいらっしゃいました。息子さんに『半ば強引に連れて来られたの…♪』と嬉しそうに話してらっしゃる。女性は私などよりうんと人生の先輩。80歳代の方でした。その朝 息子さんとテレビを観ていたそうです。そこに優雅なバレエレッスンの映像が。『バレエ、、、ゆっくりそうやから、出来そうちゃう?』と息子さんに背中を押されて思い立つままいらっしゃったそうです。この'ゆっくり'を本当の意味でするととても難しいですが、気持ちと身体の目覚めのためにと ご自分のテーマを持ってらっしゃるので、終始マイペースで参加されていました。バレエに来るというだけで、口紅を変えるようなきらめく気持ちと、自分のためのレッスンという清々さ。
中学生になる生徒にね、伝えたいです。今まで(小学生くらいまで?)隣で同じ景色を見てレッスンしていたバレエ仲間が、ある時期からレッスン回数を増やしたり、片やクラブ優先になったり、もっとレッスンを増やしたいのにままならなかったり。中学生を機に、微妙にやりたい事の優先順位が変わってきます。回数の差って、やっぱり少なからず影響してきます。そこに焦る気持ち。誰かと比べてしまうンですね。いつも自分の中に基準があればよいけれど、ちょっと難しいかな?答えはうんと未来にあるのだけど。
以前に新中学生たちとソファを囲んで、そんなお話しをした事がありました。だからこそ、どういうテンションでお稽古をするかです。たかが1レッスン、されど1レッスン。
誤解を覚悟で言うならば、学生の頃の記憶なんて昨日のことのように思い出せます。'始めて'な事だらけの感情が手応えとしてしっかり刻まれているほどに、あの頃は特別な時間でしたから。たぶん大人達はみんなそうでしょう?だから、先生の意見というより 少しだけバレエ時間を先に過ごした先輩の意見として、届けばいいなぁと思っています。

思春期の若い人たちにー

(投稿:kazumi)